作品概要（まずはサクッと）

『君は放課後インソムニア』は、オジロマコトが描く青春ラブ×スライス・オブ・ライフ。舞台は石川県七尾市。
不眠症に悩む高校生の中見丸太と、同じく眠れない曲伊咲が、校内の天文台を秘密基地にして距離を縮めていきます。
コミックスは全14巻で完結。2023年にTVアニメ（全13話）と実写映画が同年展開され、全国的に話題になりました。「眠れない夜」を肯定するやさしい視線と、星と夜の描写が胸に残る一作です。

この作品の入口（ここから読みはじめる人へ）

• 1〜2巻で「天文台の秘密」「同盟結成」まで一気読み。ふたりの“眠れない夜”が日常を変え始めます。
• 星・夜景・校舎などロケーションの臨場感が高い。写真のように切り取るコマ運びが美味。
• アニメ・実写映画の下地にもなった観測会のエピソードは早めに体験しておくと後半がより沁みます。

あらすじ（ネタバレなし）

文化祭の準備で慌ただしい放課後。丸太は、使われていない天文台で居眠りする同級生・伊咲を見つける。
会話を重ねるうちに、ふたりは同じ悩み——不眠症——を抱えていることを知る。やがて天文台は、ふたりの“避難場所”から天文部の活動拠点へ。
夜の屋上、海沿いの道、臨海学校、流星群……。「眠れない夜」にしか見えない景色を分け合いながら、関係は静かに進化していく。

主要キャラクター（整理して理解度アップ）

• 中見 丸太（なかみ・がんた）…写真が得意な高校生。入眠困難に悩むが、伊咲と出会って夜が少し好きになる。
• 曲 伊咲（まがり・いさき）…明るく繊細なヒロイン。心身の不調で通院歴があり、体調管理が日常のテーマ。
• 灰田 塁…天文部OB。観測や機材の指南役で、ふたりの“夜の先生”。
• 受川 太鳳…クラスメイト。面倒見がよく、天文部の活動を現実に接続してくれる頼れる存在。
• 家族・同級生たち…過保護・誤解・善意のズレ——周囲の風が、ときにふたりの関係を試す。

見どころ（推しポイント）

1. “眠れない夜”の肯定：眠れないことが欠点ではなく、親密の入口として描かれる設計。
2. 星と写真のディテール：観測会、機材、撮影の段取りなど、手触りのある作業が青春に現実味を与える。
3. 能登の景色：七尾の街・海・祭り。ローカルの時間が二人の心情を映す背景になる。
4. メディアミックスの相乗効果：TVアニメ（全13話）と実写映画で、絵の“静けさ”を別角度から味わえる。

ネタバレあり：ダイジェスト（核心だけ押さえる）

テーマ／読みどころの深掘り

• 夜は“欠けた時間”じゃない…眠れない時間を共有体験に変える設計がロマン。
• 写真＝記憶の保存装置…シャッター音が会話の代わりになる瞬間。“残したい”気持ちが恋と夢を結びつける。
• 距離感の更新…“助ける／助けられる”から並走へ。断続的に訪れるすれ違いは、次の合意形成の準備運動。

読み味ガイド（たのしく読むヒント）

• 夜のコマは暗部の描き込みに注目。静けさが多いほど、ひと言の重みが増します。
• 観測会の回は段取り（準備→待機→観測→後片付け）を追うと臨場感アップ。
• アニメ最終話まで見た人は、6巻以降を原作で読むと“先の景色”が広がります。

どこでハマる？ ざっくり巻ガイド（全14巻）

• 序盤（1〜4巻）：出会い・同盟・観測会の準備。夜が味方になる感覚をつかむゾーン。
• 中盤（5〜9巻）：臨海学校・合宿・進路の話題。夢と体調と恋のバランス調整が始まる。
• 後半（10〜14巻）：受験・卒業・約束。“これから”を選ぶ決断と、やさしい終幕。

よくある質問

Q. アニメは何話？ どこまで？

A. 全13話。原作の中盤までを丁寧に描き、星と夜の演出が秀逸。

Q. 実写映画は誰が主演？

A. 森七菜さんと奥平大兼さんがW主演。七尾の街を舞台に、ふたりの関係を瑞々しく映像化。

Q. 一気読み派？ じっくり派？

A. 1〜2巻は一気読みがおすすめ。以降は観測会やイベント単位で区切ると余韻が深まります。

どこで読む？（試し読み＆購入リンクまとめ）

• Renta!： シリーズTOP
• ebookjapan： 1巻 ／ 14巻（最終）
• 楽天ブックス（電子）： 1巻（電子） ／ 14巻（電子）

※表示内容（試し読み増量／価格など）は更新される場合があります。購入前に各ストアでご確認ください。

まとめ

眠れない夜は、ふたりだけの居場所になる。『君は放課後インソムニア』は、不安の時間を分け合うことで生まれる親密を、星の光と写真の手触りで静かに照らす物語。読み終えるたび、夜が少し優しくなるはず。