『ゆびさきと恋々』あらすじ徹底解説|“ことばの外側”で育つ恋、最新巻直前まで完全整理

学園恋愛

作品概要(まずはサクッと)

『ゆびさきと恋々』(A Sign of Affection)は、森下suuによる大学生ラブ。聴覚障がいのある糸瀬雪と、多言語に明るい先輩波岐逸臣が、 手話・指文字・文字・視線を往復させながら関係を育てていく物語です。講談社『デザート』で2019年連載開始、単行本は2025年2月時点で既刊12巻。2024年には亜細亜堂制作でTVアニメ全12話が放送され、手話表現と字幕・音声の設計にも配慮が行き届いた話題作です。

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この作品の入口(ここから読みはじめる人へ)

  • 1〜2巻で「出会い→再会→“合図づくり”」が一気に分かる。非言語描写のリズムにすぐ馴染めます。
  • 大学・カフェ・電車など生活圏のリアリティが高め。日常ラブ好きに刺さる。
  • 手話・指文字・文字入力の切替が自然で、未学習でも置いていかれない設計です。

あらすじ(ネタバレなし)

電車で困っていたが、同大学の先輩逸臣にさりげなく助けられたことをきっかけに交流が始まる。逸臣は雪を“特別扱い”せず、まず目を見て、相手のペースで会話を設計する。雪は手話・指文字・文字の活用を増やし、「伝えたい」を「伝える」へ——静かな熱がコアの関係性が動き出す。

主要キャラクター(設定の押さえどころ)

  • 糸瀬 雪…先天性の聴覚障がい。手話・指文字・読唇・文字入力を場面で切り替えて会話する。可愛いもの好きで観察眼が鋭い。
  • 波岐 逸臣…旅好きで多言語に強い先輩。“並走する配慮”と行動力が持ち味。いとこの波岐 京弥が営むバーで働く。
  • 芦沖 桜志…雪の幼なじみ。手話ができ、雪を気遣うがゆえに衝突も。長年の想いと“保護者目線”の間で揺れる。
  • 藤白 りん…雪の友人。陽のムードメーカーで京弥に惹かれていく。
  • 中園 エマ…逸臣の高校時代の同級生。かつて逸臣に想いがあり、のちに伊柳 心と向き合う。
  • 伊柳 心…逸臣の旧友。エマを一途に想い、少しずつ距離を詰めていく。

見どころ(推しポイント/具体例)

  1. “翻訳”のある恋:会話のたびに手段を選ぶ——手話/指文字/文字/視線。そのひと手間が“親密の儀式”として積み上がる。
  2. 対等のデザイン:助ける/助けられるに偏らず、並走で距離を保つ逸臣の姿勢が物語の倫理を支える。
  3. “音/無音”の演出:コマの間や視線誘導で世界の聴こえ方を示す。アニメは手話表現と字幕運用の配慮が細やか。
  4. 周辺人物の厚み:幼なじみ・いとこ・旧友の矢印が現実味を生み、恋の温度を日常へ接続していく。

ネタバレあり:全巻ダイジェスト完全版(1〜12巻の核心イベント)

▼ ※ここから結末級の展開に触れます(単行本12巻まで)。

1)出会い〜互いを“知る”段階(1〜3巻)

電車での偶然から再会が重なり、雪は逸臣に惹かれていく。逸臣は“教える側”ではなくいっしょに学ぶ側として手話や指文字を身につけ始め、二人は少しずつ“共通の合図”を作る。雪の友人りん、幼なじみ桜志、逸臣の同級生エマと旧友が輪に入り、善意のズレと訂正の往復を経験。やがて想いを言葉(とサイン)で交わし、恋人同士に

2)“ふたりの作法”を固める(4〜6巻)

旅行やバイト先、サークル交流など生活圏が重なり、連絡の頻度・表現の選択・確認の合図が整っていく。エマは逸臣への想いに折り合いをつけ、心はエマの隣に立つ準備を進める。桜志は雪を気遣いすぎて空回り、逸臣への対抗心を自覚する。

3)家族の地平と同棲の入口(7〜8巻)

逸臣は雪の家を訪ね、両親と向き合う。父が抱えていたわだかまりは、真正面の対話で少しずつ薄れていく。温泉旅行や“手話合宿”で周辺カップルにも動きが出はじめ、同棲という現実的な選択肢が具体化。礼儀から一時的に黒髪に戻す逸臣の描写も話題となる。

4)同棲開始と過去のしこり(9〜10巻)

許可を得て部屋探し、そして同棲開始。家事や起床・連絡など日々の動線が“ふたり仕様”に最適化される一方、桜志は過去に雪の“声”が届かなかった場面で何もできなかった自責を抱え、心との対話を通じて自身の立ち位置を再定義する。終盤では隣人が逸臣の知り合いの兄だったことが判明し、逸臣の過去線が薄くつながる。

5)幼なじみの告白と“矢印”の整理(11〜12巻)

遊園地での三人行動(雪・逸臣・桜志)を経て、桜志は雪に告白。耳のことを理解した上でなお“選ばれたい”という長年の想いを言語化する。雪は逸臣を選ぶ意思を明確にし、幼なじみの矢印に結末を与える。
一方でエマ×心は加速。エマが踏み込み、心の覚悟も固まる。ラスト近辺では逸臣が銀髪へ戻す変化も(黒髪はフォーマル対応の名残)。ここまでで主要線は“次の段階”へ入る助走が整う。

※上記は単行本1〜12巻の主要線を整理。以降の雑誌連載分(49話以降)は単行本未収のため本稿では詳細言及を控えています。

テーマ/読みどころの深掘り

  • コミュニケーションは“設計”できる…手段の選択→確認→合意の順路が、ふたり専用のプロトコルになっていく。
  • 特別扱いと配慮の境目…“助ける快楽”に溺れず、対等でいる努力を続ける倫理が随所に。
  • “音/無音”の編集…紙面の“間”とアニメの手話・字幕の運用が補完関係にあり、視点の切替サインとして機能する。

読み味ガイド(たのしく読むヒント)

  • 手話のコマは手の位置・表情・視線をセットで追うとニュアンスが掴める。
  • スマホ入力の“打つ速度”や一拍の間は心の揺れのメーター。
  • イベント回(旅行/家族挨拶/遊園地)は“現実の議題”が増える節目。読みどころが凝縮されています。

どこでハマる? ざっくり巻ガイド(1〜12巻)

  • 1〜3巻:出会い〜交際成立。非言語の合図が増えていく序章。
  • 4〜6巻:生活圏を共有し、関係の作法が固まる。
  • 7〜10巻:家族挨拶→同棲。日常運用の最適化が見どころ。
  • 11〜12巻幼なじみの告白と矢印整理、エマ×心の加速で群像が前へ。

※巻数・放送情報は執筆時点の公知データに基づきます。

どこで読む?(試し読み&購入リンクまとめ)

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まとめ

声だけが“会話”じゃない。手・目・文字、そして“間”が恋を前に進める。『ゆびさきと恋々』は、 ふたり専用の合図を設計していく物語。完結編の12巻で幼なじみ線が整理され、周辺も加速。“次の一歩”に向けて温度が上がるところまでしっかり到達します。

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