はじめに
『イタズラなKiss』は、多田かおる先生による伝説級の学園ラブコメ。ド天然で一直線なヒロイン・相原琴子と、IQ200の冷徹プリンス・入江直樹――“最弱×最強”の凸凹カップルが、すれ違いと成長をくり返しながらじわじわ距離を詰めていく、王道中の王道です。原作漫画は全23巻で、作者急逝により未完。ただしアニメ版では、先生が残した構想メモをもとに“意図された結末”が描かれ、作品世界は美しく着地しています。
この記事では、巻数・完結状況などの基本情報、ネタバレなし/ありのあらすじ、主要キャラ(琴子・直樹)の掘り下げ、推しどころ満載の見どころ、心を直撃する名言・胸キュン、そしてFAQまで、初読の人にも“懐かし組”にも届くように整理します。
基本情報(巻数・完結・メディア展開)
巻数・完結状況
原作漫画は全23巻。作者急逝のため未完ですが、アニメ版では構想メモをもとに“その後”が示され、読者の心にある「二人の先」を補完してくれます。
メディアミックス
アニメは全25話で、学園編から“その先”までを丁寧に映像化。実写ドラマは日本・台湾・韓国・タイなど各国で制作され、時代と地域を超えて愛されてきました。
読む順番のおすすめ
漫画→アニメの順が王道。漫画で二人の“温度差ギャグ×甘さ”を味わい、アニメで名場面を立体的に追体験するのが◎。未完の余韻はアニメのラストで満たしてから、また漫画を読み返すループが最高です。
あらすじ(ネタバレなし)
成績は底辺、でも根はまっすぐな女子高生・相原琴子。入学式のスピーチで一目惚れしたのは、学校一の天才・入江直樹。彼は顔も頭も運動も“全部トップ”の完璧人間、しかも冷たい。告白は秒で玉砕――のはずが、地震で自宅が崩れてしまい、父の知人宅に居候することに。そこは、よりにもよって入江家。琴子と直樹の“同居ラブコメ”が幕を開けます。
直樹は興味のないものに容赦がないタイプ。琴子の失敗に冷酷コメントが飛ぶたび、読者の心は“うう…”と折れそうに。でも彼女はくじけない。テストでは最下位でも、体育祭では全力、文化祭では泥臭く走る。入江家のママの過剰な後押しもあって(最強のラスボス…ではなく“神推し”)、ふたりの距離は0.1mmずつ縮んでいきます。
ライバルの出現、進路の分岐、家族の事情。表面上は学園ラブコメでも、芯にあるのは“自分の人生をどう選ぶか”。琴子は“直樹の隣にふさわしい自分”を探し、直樹は“誰のために何をするのか”を選び直していく――そんな、時間をかけて育つ恋です。
あらすじ(ネタバレあり・結末まで)
※ここから先は核心に触れます。未読の方はご注意ください。
はじまりの大失敗。 直樹に公開告白→秒で失恋。ところが地震で家が潰れ、入江家へ居候に。ママは大喜び、直樹は塩対応、琴子は胃が痛い。けれど同じ屋根の下で過ごすうち、直樹は彼女の“諦めない粘り強さ”に気づいていきます。
クラスの重力と、恋の初速。 琴子は学力Fクラス、直樹はAクラス。世界が違うようで、でも学校行事やアルバイト、家の手伝い…“一緒にやること”が二人を少しずつ結びます。直樹の冷たい言葉に、時々混じる甘さ。琴子の鈍感力に、時々だけ混じる鋭さ――その波形が心拍数を上げる。
進路の岐路。 直樹は将来を決めかねたまま“何でもできるが、何がしたいか分からない”迷い人に。琴子は“直樹に追いつきたい”気持ちをエンジンに、自分なりの努力を積み重ねる。恋は“相手のコースに乗る”のではなく、“自分の足で走る”と決めたときに強くなる――その実証がここにあります。
並ぶための告白。 直樹は、琴子の存在が自分の“未来を選ぶ覚悟”を引き出してくれたことに気づく。琴子も、直樹の冷たさの裏にある“守りたいもの”を見抜く。二人はようやく同じ方向を向き、周囲を巻き込みながら加速します。
“その先”へ。 原作は作者急逝により未完ですが、アニメ版では構想メモをもとに“二人の未来”がきちんと描かれます。学園を越えた“生活”の物語へ。恋はゴールではなく、更新され続ける選択だというメッセージが静かに刻まれます。
見どころ・注目ポイント
① “最弱×最強”が反転する快感
琴子は何をやっても空回り…に見えるけれど、最後に場を動かすのは彼女の真っ直ぐさ。直樹は万能に見えるけれど、誰かのために決める勇気は最初は持っていない。二人が互いの“欠け”を埋め合って、いつの間にか“対等”に近づく過程が尊い。
② 生活感のあるラブコメ
料理、洗濯、家族とのやり取り、アルバイト。派手なイベントより“暮らし”の積み重ねで恋が進むから、名場面が後からじんわり効いてきます。
③ 最強の“推しママ”
入江ママの暴走推し活は、時に物語を動かす神の手。読者もつい“もっとやれ”と言いたくなるはず。
④ ライバルの存在が良いスパイス
お嬢様系ライバルや、スポ根系の好男子…“もしも”の可能性が二人を試し、言葉と行動で乗り越えるたびに関係が更新されます。
⑤ 未完でも満足度が高い理由
原作は未完でも、アニメで“意図された着地点”を体験できる。媒体の違いが見事に補完関係になっている点は本作ならでは。
登場人物(主要は詳しく/その他は箇条書き)
相原琴子
勉強は大の苦手。でも折れない。笑顔で挑んで失敗して、それでもまた挑む。彼女の“努力は才能を動かす”を地で行く姿は、直樹だけでなく読者の背中も押してくれます。コンプレックスを“武器”に変えるお手本。
入江直樹
頭脳明晰・運動神経抜群・容姿端麗。なのに冷たい――と見せかけて、実は不器用に“責任”に縛られている人。琴子と出会って初めて、誰かのために自分の未来を決める勇気を手に入れる。言葉は少ないが、行動で示すタイプ。
その他(箇条書き)
- 入江家(母・父・弟):推しママは物語の加速装置。弟は毒舌ツン、でも家族愛は深い。
- 琴子の友人グループ:騒がしくも温かい本命サポーター。時に叱り、時に背中を押す。
- 恋のライバルたち:お嬢様タイプ/体育会系好男子など多彩。二人の関係を試してくれる存在。
- 学校の面々:教師・クラスメイト。学園という“世界”のリアリティを支える背景キャスト。
名言・胸キュンシーン
「おまえ、ほんとにバカだな(でも、嫌いじゃない)」――直樹の毒舌に、ふっと混ざる優しさ。言い方が乱暴でも、行動が優しいタイプはズルい。
「諦めなければ、いつか届くから」――琴子の根性論は、ただの明るさじゃない。負け続けの人生でも“もう一回”を押す勇気は、誰かの心も動かす。
スローモーションの“手”――危ない場面で、迷わず琴子の手を取る直樹。スキンシップが少ないからこそ、一回の“触れる”が破壊力抜群。
進路を選ぶ夜――二人が“隣で生きる”覚悟を言葉にするシーン。恋は“依存”ではなく“自立の約束”だと教えてくれる名場面。
※台詞はニュアンスを伝える意訳です。
よくある質問(FAQ)
Q. 原作は完結していますか?
A. 原作漫画は全23巻で未完です。アニメ版は構想メモをもとに“意図された結末”が描かれます。
Q. どこから入るのが読みやすい?
A. まず漫画→アニメの順がスムーズ。漫画で凸凹の熱量を感じてから、アニメでラストまで駆け抜けるのがおすすめ。
Q. 実写ドラマは?
A. 日本・台湾・韓国・タイなどで多数制作。各国版のアレンジを見比べるのも楽しいです。
まとめ
『イタズラなKiss』は、勉強も運動もダメな子が“諦めない”だけで世界を動かせると教えてくれる物語。そして、何でもできる天才が“誰かのために選ぶ”ことで初めて一人前になる物語。二人の関係は、からかいと本気、毒舌と優しさ、失敗と成功のジェットコースター。読み終えるころ、あなたのなかの“もう一回”に火がついているはず。
未完の余韻はアニメで受け止めて、また最初から。王道ラブコメの原液、ここにあり。